引き出しいっぱいのランジェリーに憧れた過去。
20代後半の頃、たまたま読んだ林 真理子さんのエッセイに、歌手ユーミンが引き出しいっぱいのパンティーをグラデーションに並べてお花畑のようにしていると知り、激しく憧れるというエピソードが描かれていた。
私もそれを読んで「素敵!私も同じことしたい。」と、せっせと下着を買い集めました。
私はパンティー(今時はショーツか;)だけでなく、ブラもお揃いのセット買い。
フリルやレースに刺繍、カラフルで華やかな下着達は、もはや下着という実用的な呼び名ではなく、まさにランジェリー!
短期間の内に、それこそ上下で2,000円のプチプラから、ブラだけで3万円する、ラ ・ペルラというイタリアの高級下着まで、幅広いラインナップで収集した。
当時自宅にあった、私の白いタンスの引き出しは、それこそカラフルなお花畑のようににいっぱいになり、大満足!
もう毎朝、今日はどのランジェリーを身に付けようか、選ぶのが楽しみでしょうがなかったです。
だけど、そんな毎日がいつしか日常的になってくると、たくさんあるランジェリーから選ぶという行為が億劫になってきた。
そもそも、フリルやレースなど、装飾が多い下着は上に着る服の表面にひびいたり、カラフルな色は透けて見えたりと、実用面で問題も多かった。
そのうち、これは最近着てないからという理由だけで、今日はこれにしようなど、妙なローテーション思考で選んだりと。
引き出しいっぱいのお花畑ランジェリーは、乙女度マックスだけど、当初のワクワク感やドキドキ感はいつしか薄れてしまい・・・。
なんというか、大量に物があるなかから、選ぶという行為が面倒くさく感じはじめてしまって。
結局、とりあえず持ってると便利だからという理由だけの、お花畑ランジェリー計画除外品の、実用一点張り、ベージュの装飾いっさい無しブラ2枚を、毎日交互に身につけてた。(トホホ;)
その時の経験から、私は夢のあるロマンティックな物より、実用的な物を好むタイプのようだと漠然とだけど感じてた。
世の中には、お花畑ランジェリーの中から、本日の渾身の一枚を選ぶのが好きな人もいれば、いろいろ選ぶのが面倒くさいという人もいる。
下着に限らず、洋服も。
私は後者だ。
そう考えると、私の好みはミニマリスト向きだ。
さて、現在の私の下着はというと、紆余曲折のうえGUのブラトップを愛用してしている。
これまた、以前雑誌の記事でステキなことが書かれていて、影響を受けたんだけど。
(私、影響受けやすいんです。笑)
さかのぼること4年前ぐらいだろうか、料理研究家の飛田 和緒さんが、ハンロ(高級下着)のブラトップを3枚だけ買って、半年間着倒し、くたびれる前に処分して、新しく同じ下着を買い換えるという雑誌記事を目にした。
高級下着を数枚だけ揃えて、日常的に身に付けるというのに反応してしまった。
「なんて大人で、潔いんだ!ステキ。」
またしても、私のステキ病が発症して1枚18,000円のハンロのブラトップを3枚買ってしまった。しめて56,000円也。
飛田さんと同じく、白・黒・ベージュの3色のブラトップだけを着続けた。
高価なだけあって、着心地も補整効果も申し分ない。
深いVネックが大人な感じで、いい女になったような錯覚までして。
飛田さんは半年で買い換えるそうだが、私はさすがに半年で処分するにはしのびなくて1年着た。
1年ぐらい経つと、ワイヤーが歪んできて、買い換え時だとハッキリわかる。
しかし、同じものをリピートするのに56,000円は、まだ会社勤めしていた当時の私でも高価すぎた。
実は私、リピート買いが好きではないのだ。
なぜなら、私の買い物好きは、初めて購入する時の、ワクワク・ドキドキの高揚感込みなんで、どんなにいい物だとわかっていても、リピート買いにときめかないから。
結局、下着に56,000円をかける気になれず、UNIQLOのブラトップでしのいでいたけど、ハンロの深いVネックの形が気に入っていたから、似たようなものがないか探し続けていたけど、意外と見つからない。
そうこうしていたら、1年前に遂に見つけてしまった。
それもGUで!
ご存知、GUといえば格安。UNIQLOよりももっと安い。
そこに、ハンロのブラトップと、同じ形のブラトップがあったのだ!
試しに1枚買って着てみると、ハンロ愛用者の方には申し訳ないが、さほど違いがない。そりゃあ、生地やカッティング技術など厳密にいえば違うんだろうけど、私はわからない。
しかも、ハンロはワイヤー入りだけど、GUはノンワイヤーでもしっかりしたホールド感があって、私はむしろGUの方が好きだ。
そして極め付けは、お値段千円以下。
56,000円あれば、GUのブラトップが56枚は買えるという。
もう一生分の枚数だ!
というわけで、GUのブラトップを愛用している。
現在、昨年末にリピート買いしたので2期目だ。
リピート買い好きじゃないと言っときながら、リピートするという。
年末バーゲンで、もともと安いのがさらに安くなっていて、たしか1枚750円だったような。ここまで安いと、ワクワク感がとかドキドキ感がとか関係なし。
安さにワクワク、ドキドキしたよ。
私の買い物好きは病的だけど、少なくとも高級志向専門でなくて良かった。
乙女度低い、現実派で良かった。
無職になると、むしろありがたい。
今となっては私にも、お花畑ランジェリーが好きだと思えた時もあったのね、と懐かしささえ感じる今日この頃です。