ダブルワークを始めて感じたことと、誰にでも出来る仕事のウソ。
面接がうまくいき、仕事が二つ決まった。
朝5時から9時までの、4時間の通販のコールセンターと、10時から15時までのホテルの清掃。
この仕事しかなかったというわけではなく、働く時間のことを考えて、狙ってこのバイトに応募した。
なかなか人が集まらない職種らしく、即採用となる。
今週から、それぞれ研修にはいっているが、やっぱり仕事ってなんでもきついな。
コールセンターは20代の頃したことがあるが、なにせ久しぶりだから緊張した。
あいかわらず、変なお客さんからかかってくることがある。
名前の漢字を訊いたら、なんでも適当な字をあてといてと言われ、それは出来ませんと答えると、失礼な奴だと怒られた。
なんなんでしょうね?私が悪いのか?
商品知識の勉強や、電話応対やパソコン入力など、覚えることはそれなりにある。
ちょっと気軽に働くにしては、荷が重い仕事。
苦手な人には苦手だろうな。
もう一つのバイトのホテル清掃は、これまた仕事内容を甘くみてた。
なんだかんだで、家事の延長のような掃除の仕事だと思っていたら、とんでもなく重労働だった。
まず、ベッドメイキングがハンパない。
なんか若者が使うような言葉で表現してしまったけど、ほんとハンパない。
敷きシーツや掛け布団のカバー交換なんて、家でもしょっちゅうしてるから大丈夫だろうと思っていたけど、シーツの物自体から違う。
自宅のシーツなんてBOXシーツだからマットレスにかけるだけだし、掛け布団カバーもファスナー式だから、たいして時間がかからないし手軽だ。
でも、ホテルの敷きシーツはフラットな布で、マットレスに折り込まなければならないし、掛け布団カバーもファスナーなんか付いていなくて、足下の一辺が閉じられていない、袋状のカバーのなかに布団を入れていく。
ベッドを動かしたり、マットレスを持ち上げたり、力がいる。
そもそもシーツ自体も重い。
あとは浴室の清掃や、部屋の小物のセッティングに掃除機かけ。
ゴミをまとめたり、食器をあらったり、1部屋ですることはてんこ盛りだ。
慣れてきたら、1部屋25分で出来るようになるらしいが、本当に?
1人あたり、慣れるまでは6〜8部屋担当して、最終的には10部屋できるようにといわれた。
今は研修中なので、派遣会社の担当責任者と、ホテル専属の清掃のインストラクターの男性が教えてくれている。
このインストラクターの男性が、ものすごいプロフェッショナルで驚いた。
いとも簡単にベッドメイクも仕上げるし、浴室清掃も流れるような動作であっというまにきれいになる。
おそらく50代であろうそのインストラクターは、とてもわかりやすくテキパキと親切に教えてくれる。
なんというか、技術もそうだが、その道を極めた人は、どんな仕事であれ人間性の高さを感じる。ものすごく紳士でもある。
その方は、全ての部屋の最終チェックをまかされているらしく、ベテラン清掃員の方から、仕上げた部屋をチェックお願いしますと、ちょこちょこ呼ばれていた。
派遣の担当者が言うには、腕がある人が少しシーツを引っ張ったり、小物や椅子の配置を直すと、部屋が見違えるぐらい変わるそうだ。
どんな仕事にもプロがいるんだなあ。
ちょっと感動的ですらありました。
しかし働くって大変だ。
誰にでも出来る簡単な仕事と、銘打っているが、誰にでもできる仕事とは、誰しもできない仕事だ。
体力的にきつかったり、精神的に追い込まれたり、プライドが邪魔したりと。
とりあえず、失業保険受給までの3か月間は続けようと思っているが、お金を稼ぐって今更だけど、大変だと感じた。
ちなみに、私の買い物依存症だけど、治ったように思う。
なぜなら、仕事帰りにショッピングセンター内を歩いたけど、この時季の春物のヒラヒラしたお洋服や、明るい色の化粧品など、女心をくすぐられて購買意欲が湧きまくる季節なのに、目に入る商品に胸ヤケがした。
まったく欲しいと感じない。
むしろ、なんで今まで、こんな物に魅力を感じていたのか、不思議でさえある。
今はお金の大切さと、すでに持っているもので十分だと思える、精神の安定があるからか。
なにかを買いたい、買わなければという焦燥感がまったくない。
将来に対して、まったく不安が無いわけではないけど、なんだろうこの自由感。
そして、生きているっていう実感。
自分で自分をコントロールして、なにかをしているっていう感覚が、私を自由にしているように思う。
なんかあっさり、買い物依存症を克服してしまった。
本当は完治してなかったり、再発のおそれもあるけど、今の現状としては買い物してストレス発散したいとか、あれを買って素敵な自分になりたいといった謎の思考にまったくならない。
あんなにブランド品がほしかった理由が、今となってはわからない。
治ったのでしょう。
自分を取り戻したのでしょう。
そういうことにしておきましょう。
明日も頑張るぞ! 私。